House in Meguro

敷地は、林業・森林の研究機関「林業試験場」の跡地に開園した、日本全国の珍しい巨木や樹木や、他の公園ではなかなか見られない海外産の樹木が配植され、樹木観察が楽しめる都立公園に隣接している。
災害時の避難場所に指定されている公園に隣接する場所の為、耐火建築物としての建設が義務づけられている地域であり、そこに建設されたコンクリート3階建ての住宅である。

周辺を住宅や共同住宅などで囲まれている事もあり、風の抜ける道、光の取り込める場所など、敷地を立体的に観察し目的別に開口や天井高さ、空間の繋がりなど、空気の流れと共に整理した。
まず、3階には、洗面浴室など湿度や換気を必要とする場所を設定し、螺旋階段を挟んで、光や風の流れを生み出す装置としてバルコニーを坪庭的に設け、そこから光や風の流入を下階に取り込める様にしている。2階はキッチン以外は仕切りの無いオープンなスペースとし、南東側にL型開口、北西のキッチン側にも開口を設け、時間帯により様々な光の流入を考慮している。1階はくり抜かれた外部を駐車スペースとし、上階は全て片持ち床として両サイドの壁柱と腰壁で支えている。

また、建物の性能の観点や、室内の有効スペース確保の為に、壁(コンクリート)芯が室内面積を決定している為、外側に断熱を設けた方が有利に働く事も考慮し、外壁の型枠設置時に外側の枠に両面凹凸のある断熱材を固定して打設することで、外断熱仕様とし、断熱材の外側はモルタル材を左官にて金コテ仕上げとし、浸透性塗布型撥水剤を塗布している。屋上は断熱材を敷き詰め、その上に砂利を敷く工法とし、全体を断熱材で包んだ仕様としている。

構造設計:羽田野構造設計室
施工会社:株式会社相川スリーエフ
主要用途:専用住宅
主要構造:RC造 地上3階建て
敷地面積:56.04㎡
建築面積:34.00㎡
延床面積:89.10㎡